趣味は妄想

 日々何とは無しの瞬間に妄想を繰り返しております斎です。
 
 今は他に更新せなあかん作品の他、異界トリップ物を妄想しております。

 よくある王道のジャンルでありますが、斎が触るんだから王道も王道、直球ストレートな話になっておりますよ。



 主人公は双子の弟。

 昔は双子は不吉なものとして神様に返すとかそんな事が真しやかにあったとか。(でもこれガチであったらしいですよ?)

 主人公の村?町?でも古い慣習が形を変えて残っていて、双子が生まれたら片割れを巫女として奉納するだとか。リ

 巫女として色んな・・・それこそあんな事やこんな事まで教育されていく双子の兄に距離を感じたり、双子なのに全然同じじゃない自分たちに違和感を覚えたり、嫌悪感を覚えたりしている主人公。

 巫女としての存在意義を持たない双子の片割れは何かと形見が狭い模様。

 定められた年齢になって兄は神に奉納され、神隠しにあったように姿を消す。

 「一人」になった主人公は兄と同じだった黒髪を染めたり脱色したり、ピアスをしたり。

 記憶に残る兄とできるだけ違う姿でいようと、半場躍起になってたり。

 兄が消えてから二年、ほぼその存在自体を忘れかけていた頃に主人公は、兄が奉納された神社の祭りに行く。

 そこで兄が最後にいた祭壇を見て、引き寄せられるように異界へ渡って行く、と。


 まぁざっくりの設定はこげな感じ。
 Mに話した別件のトリップ物もあるんですが、そっちは別途でぽちぽち作ってたりします。

 ひとまずこの話は日記でSSチックに書いていこうと目論んでます。


 以下、上記に重複する箇所もあるやもですが、SSです。











 双子は不吉。

 なんて古すぎる迷信だ。

 今じゃそんな事言ったら人権だなんだってきっと騒がれるだろ。

 でも、俺の住むこの狭く古い町は未だにそんな迷信が変な形で残ってた。

 
 曰く、双子は神様への供物。

    子供が減らないよう、神様がわざわざ一つの子供を二つに分けられたのだ。
    だから一人は神様への供物として供えないといけない。

 突発的に生まれる双子は特別な儀式を受けて、またいつもの日常に戻る。

 今残ってるのも儀式だ何だって形式的なものだから、実際に人身御供なんて事はない。
 
 その儀式も双子じゃないと行われないから、厳かな儀式を行ってもらえるとして、親は喜ぶくらいだ。


 そしてそういう俺も、双子で生まれた。

 儀式を受けるのは俺の兄。

 同じ双子なのに、全然似ていない。

 凸と凹のように、俺たちはまるで正反対だった。

 優しく明るい子供の兄は大人うけもよかったし、友達も多かった。

 大して俺は、喧嘩っ早いし乱暴で、苛めっ子ではないがあまり友達が多いほうではなかった。

 それでも兄は俺に構ってきた。

 それが俺には我慢ならなかった。

 自分が欲しくても手に入らないものは、全部兄のものだ。

 その事を目の前に突きつけられるような気分で、胃の中から黒いものが喉元まで競り上がってくるようだった。

 兄の手を振り解いて、俺はいつも一人でいた。

 

 きっと最初は羨ましいとか、嫉妬とか、そういうものを抱いていた思う。



 同じ双子なのに、見間違われることも無く。

 普通の兄弟よりも遠く、友達より他人な、そんな兄。

 いつしか兄との違いを当然のように受け入れて、兄にあるものは自分にはない、その事を当然のように受け入れるようになった。

 16になる年の秋。

 兄は神に奉納される儀式を受けた。 
 
 神社の奥の祭壇で、神主の祝詞が響く中兄は厳かに鎮座していたらしい。

 そして祝詞が終わる時、兄の姿は消えていた・・・らしい。

 俺は兄の儀式など見に行かなかったから、全て後で聞いた話だ。