別件SSの件
ども、タイトルの無いSSをサクサク書いてる途中別件のSSが沸いて出てきました。
暖めて置いておくという保温機のようなものは斎には搭載されていないので、とりあえず思いついてる事だけ吐き出しておく事にしておきます。
まぁSSという寄りも、人物設定程度のものしか思いついていない代物ですので、このまま消えてなくなる可能性も大であります(´∀`*)
現代学園物でありますよー(´∀`*)
以下、思いついている触りの部分だけ書き溜めしておきます。
鏡を見るたび写る、母親譲りの女の子のような顔。
日に焼けない白い肌に、栗毛の髪。
これから伸びるんだと信じて止まない低い身長。
コンプレックスまではいかないものの、男に生まれてきたのを複雑に思う。
そんな事を思うのは俺…、じゃなくって 目の前にいる俺の幼馴染だった。
「もう勘弁して欲しいよホント。俺女の子じゃないっていうのに…。」
そういって形のいい眉をひそめるのは、俺の幼馴染の桃木翼。
「まー、翼は顔は整ってるからなー。女の子方面に。」
机に突っ伏す翼の柔らかい栗毛をツンツン突付いている俺は、幼稚園に入る前からの付き合いだ。
黒澤衛。(くろさわ まもる)
それが一応俺の名前。
外見?
外見はまー、普通にその辺に転がってるような顔だな。
目がくらむほどの美形ではないものの、目が当てられない程の不細工でもないそんな感じの人並みの顔だ。
身長もとりあえず170センチは越えてるし、これ以上伸びろなんて高望みもしない。
体だって鍛えれば普通に筋肉つくし、鍛えても鍛えてもプロテインを水のように飲んでも筋肉のキの字も見えない翼に一度拗ねられた事もあった。
席に座って朝のホームルームが始まる時間を待っている間、翼は電車の中で遭遇した痴漢の被害を俺に報告した。
「俺もうどうしたらいいか分かんなくって!!普通男に痴漢するか!?」
小声で叫ぶ翼に、俺は苦笑いを浮かべて答える。
「女の子がそんなオッサンに触られなくてよかったじゃん?翼が女の子を守ったって言う事で…」
そういうと見かけによらずやはり男の子の翼は、内なる正義感を刺激されたのか、そ、そうか?など言ってまんざらでもない感じになってしまう。
「でもまぁ、翼もいい気持ちじゃないし、別の車両にするとかしてみたら?」
「ん、分かった。ていうか衛が一緒に通学してくれたらいいんじゃんか!!」
「んー、俺の目覚めの時間って気の向くままだからなー。」
ハハハー、と笑って誤魔化す。
そう、俺は特段真面目な生徒というわけでもなく、普通に寝坊したり、普通に一番乗りしたり、かなり気まぐれな時間に登校していた。
その代わりと言っちゃ何だが、翼は毎朝8時には学校にいる偉い生徒だ。
「それより翼お前さ、青木会長の話どうすんの?」
「ぐっ・・・」
青木会長、の言葉に反応した翼が体を強張らせる。
「あの人も何で俺なんかを…!!」
翼が悶絶している相手、青木会長とは、俺たちの通う高校の泣く子も黙る生徒会長の事だ。
才色兼備、眉目秀麗、文武両道。
並べてみると笑えてくるステータスも、彼が背中に背負うと笑う口が閉じる。
た、確かに…と唸ってしまう。
そしてそんな裏も表もまるで隙無し!の青木会長が、新しい生徒会メンバーの白羽の矢をこの桃木翼に立てたのだ。
翼とこの高校に入ってから実感した事は、美形はいる所にはゴロゴロいる。という事だ。
人間、似たような人間と群れるもの。
俺と翼は幼馴染だから色々違いがあっても上手く咬み合ってきたけど、普通に初めましてから始まる友達はやはり自分とどこか似たようなものを感じる人間だろう。
極端な話、普通の一般ピープルがハリウッドスターと友達になれないのと同じだ。
棲む世界が違うのだから。
それを小規模化したのものが必ず作用している、と俺は実感している。
仮に青木会長と同い年で、同じクラスになったとして、俺は友達になったかと言われれば否!と俺は答えるだろう。
色んな意味で俺はあの人の隣に立つ自信は無い。
そういう人にはそれに似合う人が回りにいるものだ。
翼はその容姿でもって青木会長の隣に立つのが許されるが、俺は容姿以外にハイレベルな人たちとお付き合いをする何かはナイ!
だから翼を介して垣間見えるそういう、この高校に存在するハイレベルな方々の世界を見るだけで、俺の野次馬的な好奇心は満たされていた。
「そういえば筑紫先輩と緑原先輩もきてたぞ、確かあの人達会計と副会長だったっけ?青木会長に頼まれたってさ。」
青木・筑紫・緑原、この御三家は高校以前からの付き合いらしく、三人でワンセット、というパッケージだ。
「上があれだけ美形が揃ってたら、後輩も美形で揃えたくなってくるよなー確かに。」
まぁ単純に見かけだけで選ぶような事はしていないだろうが、そんじょそこらの高校の生徒会に比べてウチの生徒会の美形率は大阪の引ったくり件数並に高いと思う。
翼が目を付けられたのも、先生の手伝いを甲斐甲斐しくしていたのを生徒会のメンバーが常々見ていたからだ。
「う〜っ、でも俺 生徒会なんて柄じゃないって〜ッ。衛も分かってるだろ〜。」
「俺は一回くらいしてみても言いと思うけどな…。」
翼は人前に出る事となると顔が茹でたタコの如く赤くなるが、そんな派手で華々しい事は会長とかが担うだろうし、そうそうお鉢は回ってこないだろうと見越して呟く。
翼も翼で興味があるから即座に断る事ができないでいるんだろう、というのも見越している。
「ま、別に嫌なら断っても良いんだし。気楽に考えたらいいんじゃね?」
そう言った所で予鈴が鳴り、俺は窓際の自分の机に戻る。
ガラリと扉を開けて入ってきた担任の柿山が出席を取るのを聞きながら、俺はもう既に昼飯のことを考えていた。
とまぁ平凡人並み平均値な衛っちの周りを一歩分の距離を置いて取り巻く美形の渦とそのとばっちりを書ければなぁと思っています。
コメディ調にできれば僥倖かと。(´∀`*)